第203章 不安が増した

「瀬川さん、この瀬川陸斗って人、ほんとすごいですよ!」

 翌日、私が会社に着くなり、上田広本が契約書を一通手に、興奮した様子で駆け寄ってきた。

 彼はその紙を高く掲げると、声を弾ませる。

「見てくださいよ。また1000万の大口です。しかも瀬川陸斗が取ってきました」

「陸斗が? ……問題はないの?」

 私は受け取った契約書にざっと目を通す。金額は1000万。取引先は安龍会社。名前は聞いたことがある。いずれ挨拶に行こうと思っていたのに、まだ動けていなかった。

それにしても――瀬川陸斗が、どうやってこの会社と繋がったの?

 私の疑問を見て取ったのか、上田広本は笑みを浮かべた。

「契...

ログインして続きを読む