第205章 株主総会

私の言葉を聞いた母は、にこにこと父へ顔を向けた。

「子どもの気持ちなんだし、外で食べない?」

「いいな。行こう」

父はそう言うと運転手に車を回させ、私たち三人はレストランへ向かった。席に着くと、私は二人に向けて面白かった出来事や笑える話を拾っては聞かせる。父とも暗黙の了解で、祖母からの電話のことには誰も触れなかった。

温かな夕食を終え、翌日出社すると――社員たちの私を見る目が、明らかに変わっていた。

目が合った瞬間、皆がさっと脇へ寄って丁寧に頭を下げる。呼び方も、最初は「瀬川さん」だったのが、今では「瀬川社長」だ。

軽くうなずいて自分のオフィスへ戻る。ドアを開けて一歩入った、その...

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