第208章 黒幕

「そんなに早く、どうしてわかったの?」

私は思わず目を瞬かせた。

「君のほうはずっと見張ってた」

神崎倫司が低い声で言う。

「資金繰りが厳しいなら、こっちから回して穴埋めする。会社に傷はつけさせない」

その言葉が胸の奥に沁みて、張り詰めていた神経が少しだけほどけた。

私は眉間を指で押さえ、声を落とす。

「今はまだいい。帳簿の中身がはっきりしないうちにあなたの資金を入れたら、逆に突かれる。代わりに株を見てて。悪意の空売りが来たら、止めて」

「了解。俺がやる」

神崎倫司は余計な説教はせず、ただ釘を刺す。

「一人で抱え込むな。何かあったらすぐ呼べ」

通話を切ると、私は無理やり...

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