第220章 演技一流の女優

瀬川凪紗視点

瀬川庭山が、こんなに早く金を返してくるなんて思ってもみなかった。

経理が確認し、1円の狂いもないと分かったところで、ようやく私は本当に信じた。

「どうだ? 言っただろ、返すって。ほら、ちゃんと全部返したじゃねえか」

瀬川庭山は媚びるような笑みを貼りつける。

「この金は会社から借りたってだけだ。返したんだから、これからも親戚だろ? 身内だろ? 凪紗、これからも俺たち一家のこと、いろいろ面倒見てくれよな」

要するに、これからも私の家の金に手を伸ばす気だ。

そう察して、私は薄く笑った。

「ええ。もちろん」

私が頷いた途端、瀬川庭山は露骨に肩の力を抜いた。

「だよな...

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