第28章 報酬

神崎倫司はうなずき、言った。

「決まりだ。この案件で彼女を落とせるなら、この程度の金、どうってことない」

言い終えた瞬間、室内にいた全員の視線が、いっせいに私へ集まった。

前田部長はそれに気づくと、軽く咳払いをして慌てて立ち上がる。

「神崎社長、価格面で問題がないようでしたら、法務に契約書の作成を進めさせます」

そう言いながら、部屋の外へ向かう。

「瀬川さん、神崎社長のお相手を。私はちょっと外の様子を見てきます」

前田部長が出ていくと、上田広本も釣られたように立ち上がった。

「あ、えっと……署名用のペン、取ってきます」

私は彼を一瞥し、それから机の上のペンを見た。……ある。...

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