第32章 食事に付き添う

私の言葉を聞いた宮本良介は、箸を動かす手をふと止めた。どこか居心地が悪そうに眉を寄せる。

「何だよ。わざわざ他人の話を持ち出して」

「別に」

私はわざとゆっくり答える。

「この前、従姉が『返すものがある』って言ってたでしょ。でももう何日も経つのに、何の音沙汰もなくて。もしかして避けられてるのかなって。最近、電話しても出ないし」

宮本良介に聞かせるために言った。

私に動いてほしいなら、いい。だったらまず、私のものを返してからだ。

宮本良介は平然とした口ぶりで言う。

「さあな。従姉さんとは、俺も別に普段連絡取ってないし」

――へえ。連絡取ってない?

心の中で冷たく笑う。毎日一...

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