第37章 宮本家の番だ

「瀬川様、私に何かご用でしょうか」

上田広本は、今回ばかりは妙にへりくだっていた。

私は眉をひそめる。

「同じ会社の人間なんだから、その呼び方はやめて。勤務中は瀬川凪紗って呼んで」

「い、いえ……それはさすがに。皆さんご存じですし、瀬川さんは会社の……お嬢様ですから……」

上田広本は慌てて手を振った。

「呼べって言ったら呼ぶの。何をぐずぐずしてるのよ」

「は、はい!」

それを聞いてようやく、上田広本はへらっと笑って腰を下ろした。

「えっと……凪紗さん。俺に何か用ですか?」

私はうなずく。

「新しく入った社員で、青木勝って人……知ってる?」

「いや、知りません」

私は...

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