第43章 雨の夜の遭難

木村部長は、外がみるみる暗くなっていく空模様を見やり、不安げに口を開いた。

「この会社、かなり遠いですね。今から向かいますか。それとも明日にしますか」

時間は待ってくれない。神崎倫司の納品期限は、もう目の前まで迫っていた。これ以上、ぐずぐずしてはいられない。

そう思い、私はきっぱりと言った。

「今すぐ行きましょう」

「わかりました」

木村部長が運転手に行き先を伝えると、車は前へ走り出した。

進めば進むほど道は荒れ、揺れも激しくなっていく。人里からもどんどん離れていった。

気がつけば、もう日は沈んでいた。なのに私たちは、前にも後ろにも村ひとつない荒野のど真ん中にいる。

神崎倫...

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