第45章 再び出発する

私の言葉を聞くと、神崎倫司はくすりと笑った。

低く落ち着いた声が、すぐそばで響く。

「何だよ。俺が君に食いつくとでも思ってるのか?」

私はたちまち気まずくなり、顔をこわばらせた。

「神崎倫司。そういう冗談、全然面白くない」

「はいはい、悪かったよ」

そう言って、神崎倫司は両手を上げてみせる。

「安心しろ。今夜はソファで寝る」

彼はそのまま立ち上がり、ソファへ向かっていった。姿が離れてようやく、私はほっと息をつく。

今日は本当に散々な一日だった。気が緩んだせいか、かえって目が冴えてしまって、寝返りを打ってもなかなか眠れない。

私の物音に気づいたのか、神崎倫司が口を開いた。

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