第49章 何かあった

その光景に、思わずびくっとした。顔を上げると、上田広本が数人の同僚を引き連れ、クラッカーを手にエレベーター前で待ち構えている。

「ちょ、なにしてるんですか」

耳を押さえながら笑うと、上田広本は胸を張った。

「お嬢様のご帰還をお迎えしてるんですよ。お嬢様、お疲れさまでした」

そう言って背後に手招きすると、同僚たちがさっと取り囲み、きっちり整列して声をそろえる。

「お嬢様、お疲れさまでした」

「はいはい」

私は手をひらひらさせた。

「ありがとう。気持ちは受け取ったよ」

わいわいしているところへ、前田部長が歩いてくる。

「瀬川さん、戻ったか」

その姿を見た瞬間、みんな息を合わ...

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