第78章 必ず戻ってくる

結婚式なんて、どうせ本当に挙げられるわけじゃない。私は何ひとつ、興味が湧かなかった。

 ただの形だけ。飾られている品をひとつ手に取り、数秒眺めてから、元の場所へ戻す。

 そんな私の様子を見て、母の顔から笑みがすっと消えた。手にしていたものをそっと置き、使用人たちに指示する。

「それ、凪紗の小物部屋にしまっておいて」

 それから私の横へ来て、覗き込むように言った。

「凪紗、どうしたの。あなたが全然楽しそうじゃなくて心配よ」

 私は首を振った。

「ううん……大丈夫。ただ……」

 そこまで口にして、言葉が途切れる。

 結婚できない――そのことを、今ここで母に話すべきか。迷ってしま...

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