第84章 宴会

テーブルの上に目をやると、黄金で作られた扇が置かれていた。扇飾りの房には、趣向を凝らした赤い宝石が散りばめられている。

宮本家の執事が、にこにこと私を見て言った。

「瀬川さん、こちらは若様が自らお作りになったものです。房の宝石も、一粒一粒、丹念に選び抜かれております。瀬川さんとのご婚姻が末永く続くように、という意味でございます」

――滑稽だ。外で女を漁っている男が、よくもそんな台詞を口にできる。

私は唇をきゅっと結び、胸の奥の冷たさを押し隠した。

「ありがとうございます、執事さん」

そう言い終えた瞬間、電話がけたたましく鳴った。画面には――宮本良介。

「凪紗、贈り物、届いたか?...

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