第88章 俺に頼んでいるのか?

祖父は答えず、父へ視線を向けた。

「士夫。ひとまず人を出して探らせろ。誰が手を下したのか。それに、まだ手打ちの余地があるのかどうかもな」

「はい」

そう言い残すと、祖父は身を翻して二階へ向かった。立ち去り際、俺にだけ声を落とす。

「倫司。上へ来い」

「はい」

俺は急がず騒がず、祖父の後をついていった。

呼ばれた理由はわかっている。どうせ神崎東拓の件で、俺の口から何か引き出したいだけだ。

だが――残念だったな。

胸の内で冷たく鼻を鳴らす。今回は、祖父の思いどおりにはならない。

書斎に入ると、祖父は腰を下ろし、俺をひと目見てからため息をついた。

「倫司。もう半年以上ぶりか」...

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