第90章 来てもらわないと

 瀬川凪紗視点

 翌朝、まだ朝もやも晴れきらないうちから、私は使用人たちに起こされた。

 薄暗い外の空を見やって、思わず欠伸が漏れる。

「こんなに早くじゃなきゃだめなの? まだ心の準備できてないんだけど」

「もうヘアメイクさんがいらしてるのよ。先にお化粧だけ済ませて、あとで眠かったら少し休めばいいでしょう?」

 母が小声で言い聞かせてくる。私はむっとして、唇を尖らせた。

「そもそも、なんで結婚式って午前中なのよ。次に結婚するときは、絶対夜にしてもらうんだから」

「何を馬鹿なこと言ってるの!」

 母にぴしゃりと叱られ、私はそれ以上ふざけたことは言えなくなった。慌ててベッドを抜け...

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