第127章

江原司と安野香苗が睨み合ったまま譲らない、その最中――安野月子がやって来た。

宴席には人が多い。月子は江原司に、あからさまに親しげな態度は見せなかった。けれど男を見る目だけは、どこか曖昧で、意味ありげで……甘い含みがたっぷりだ。

安野香苗は、目の前で堂々と視線を絡ませ合う二人を見て、心の中で白目をむきそうになった。

『大したものじゃない。誕生日プレゼントだ』

江原司がそう言い、さらりとギフトバッグを月子に渡す。

月子の顔がぱっと華やぐ。

『ありがとうございます、お義兄さん』

箱を開けた瞬間、月子は息を呑んだ。中に入っていたのは、誰もが知るハイブランドの最高級ネックレス。きらびや...

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