第137章

『先生は普段から私によくしてくださって……先生のご指導がなければ、今の私はありません。だから、私の意思で残ります』

 安野香苗は大崎家の人々の申し出をやんわりと断り、あくまで付き添いを続けると言い張った。

 相手もこれ以上は説得できないと悟ったのか、それ以上は何も言わなかった。

 夜間の病室は付き添いが二人まで残れる決まりで、ちょうど空きベッドが二つあった。

 安野香苗は病棟を出て翔太に電話を入れる。夜に家を空ける、あるいは帰りが遅くなるときは、いつも野原英子が子どもの面倒を見てくれていた。

 そのせいで、英子には何度も小言を言われている。けれど小言は小言、頼めばきちんとやってくれ...

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