第144章

「そんなこと言わないで。大したことじゃないから」

 それから三十分後。藤原京也のスマホが鳴った。通話を繋いで報告を聞くにつれ、彼の表情はみるみる冷え切っていく。

『見つけました。西区の廃倉庫です』

 電話を切ると、藤原京也は安野香苗を見た。

「もう通報してある。警察が包囲に入ってる。今から向かうぞ」

 倉庫へ向かう車内で、安野香苗は一言も発さなかった。ただ、窓の外を流れていく街並みを、食い入るように見つめ続ける。

 現場に到着したときには、すでに警察が倉庫一帯を完全に取り囲んでいた。ドローンの映像には、倉庫内に三人の犯人。中央の柱には、翔太が縛りつけられている姿が映っている。

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