第160章

『こちらは、佐藤玲美さんと取り交わしたインフォームド・コンセントです。想定されるリスクはすべて記載してありますし、ご本人と、息子の周防晨さんの直筆署名もあります』

配信のコメント欄は、その証拠を目にして一瞬ざわついた。

自分たちの見間違いじゃないのか――そんな疑いが走る。けれど、空気がすぐに変わるわけでもない。

安野香苗はカメラをまっすぐ見据えた。表情は終始、硬いまま。

『言葉でどれだけ説明しても、意味がないのは分かってます。だったら、結果を見てもらうのが一番です』

画面が切り替わり、映像は佐藤玲美の病室へと繋がった。

カメラの中で、佐藤玲美はベッドに半身を起こしている。以前より...

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