第163章

ヘルマンの背中に、ぞわりと冷たいものが走った。次の瞬間、額から冷や汗が噴き出す。まさにそれを懸念していたからこそ、さっきから背筋が寒かったのだ。

『安野さん、値段を言ってください。うちの特許を競合に渡さないでくれるなら、条件は何でも――話し合えます!』

『条件は簡単よ。スパーク社のヨーロッパにおける販売チャネルの40%。それから、ミュンヘンの研究開発センターを譲って』

ヘルマンは目を見開いた。――冗談じゃない。これは要求ではなく、強奪だ。こんな条件、誰が飲むというのか。

『あり得ない! それじゃスパークの命を半分持っていかれる!』

『断ってもいいわ。ただし、あなたの会社が明日も息を...

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