第165章

彼女は鼻で笑い、追い打ちをかけるように言った。

「ハーリスさん。説明していただけます? 私ですら検証が終わっていない『欠陥』が、どうしてあなたのところにあるんですか」

配信のコメント欄が、ふっと一瞬だけ真っ白になる。

次の瞬間、堰を切ったような嘲笑が雪崩れ込んだ。

『はははは! 盗むにしてもハズレ引くとか、頭悪すぎだろ。そんな知能で研究やるなよ』

『盛大に炎上案件。安野様のカウンター、完璧すぎ!』

『ハーリス、学界から消えろ。こんな毒、試験管握る資格ない』

ハーリスのアイコンが灰色に落ち、そのまま配信から退出した。

安野香苗は、藤原京也が保管していた手稿の束を取り出す。

「...

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