第169章

だが、どんな場にも一人や二人、空気の読めない――いや、明らかにわざと場を壊しにくる人間がいる。

『京也さん、それはちょっと違うんじゃない?』

口を開いたのは、またしても佐藤晴美おばさんだった。今日はずいぶん地味な格好をしているのに、あの刺々しさだけは少しも薄れていない。

『婚約って大事でしょ。やっぱり家柄が釣り合ってないと。安野さんが優秀なのは分かるけど、出が小さな家だと……これから藤原家みたいな大きな家のこと、どう支えるの? 内も外も付き合いがあるのよ?』

長年この家に嫁いできたというだけで、彼女は他人を見下す癖がある。釣り合う家柄でなければ駄目、藤原家の嫁は「立派な令嬢」であるべ...

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