第11章

遠藤正志は営業用のスマイルを浮かべつつ、警戒心を露わにタブレット端末を引っ込めた。

「お嬢さん、他家の事情に口を挟むものではありませんよ」

彼は確かに周防浅奈を好ましく思っていない。だが、これはあくまで周防夫妻の墓碑だ。部外者に選ばせる道理などない。

周防浅奈は少し気まずそうに口を開いた。

「遠藤補佐、私よ。周防浅奈です。よく見てくれません?」

彼女は近藤永一の腕の中から抜け出し、遠藤正志の目の前まで歩み寄った。

遠藤正志はまるで幽霊でも見たかのように数歩後ずさり、喉仏を激しく上下させた。

彼は反射的に近藤永一を見た。そこにある相変わらずの溺愛の眼差しを見て、ようやく信じたのだ。

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