第144章

周防浅奈は一日中、病院から一歩も出なかった。

近藤永一の容態は深刻さを増しており、通常の治療ではもはや追いつかなくなっている。

彼女は何度も考えを巡らせたが、現状維持が精一杯で、即座に回復させる手立ては見つからない。

窓の外が暗くなるにつれ、胸が締め付けられるような思いがした。

もし祖母が今目覚めていれば、近藤永一を治す方法を知っていたかもしれないのに。

「奈々?」

近藤永一の弱々しい声が響く。周防浅奈は慌ててベッドサイドに駆け寄り、優しく彼の髪を撫でた。

「永一、どこか辛い? 頭はまだ痛む?」

近藤永一は、まるで片時も目を離せば彼女が消えてしまうかのように、じっとその瞳を見...

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