第15章

周防浅奈は祖母と三十分以上も話し込み、ようやく病室を出てきた。

「永一、鍼灸の手引書は見つかったけど、食譜が見当たらないの。多分家にあると思うから、先にこっちを研究するわ」

周防浅奈は近藤永一のそばに歩み寄ると、躊躇なくその手を取った。

「でも、本当に上手くいくかまだ自信がないの。待っててくれる?」

「いつまででも待つよ」

近藤永一の表情は穏やかで、口元には笑みさえ浮かんでいる。先ほどの殺気立った様子は微塵もない。

傍らで見ていた遠藤正志は唖然とした。

さっき周防浅奈が逃げようとしたと知った時、近藤永一は今にも爆発しそうだったではないか。

どうして一瞬で鎮火したんだ?

二人が固く繋い...

ログインして続きを読む