第163章

帰りの車中、近藤五郎の携帯が鳴った。

彼は助手席から、後部座席でうつらうつらしている周防浅奈を一瞥し、報告した。

「履歴書を持って警察署へ行った者からの連絡です。警察によると、以前の失踪届はすべて取り下げられていたとのことです。あの二人の少女は、家族と連絡を取っていたそうで」

「そう」

周防浅奈は気怠げに窓外へ視線を流した。

目を閉じるのが怖かった。瞼を閉じれば、堀江萌のあの絶望と恐怖に染まった瞳が、再び脳裏に浮かんでくるからだ。

周防浅奈は彼女の両親に最期の挨拶をさせることさえできなかった。これほど生々しく「死」を感じたのは、今回が初めてだった。

恐怖、悲痛、嫌悪、震え……。...

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