第169章

「永一、まだ寝てないの?」

周防浅奈は笑顔でドアを押し開けたが、ソファに座る近藤永一がひどく陰鬱な表情を浮かべているのを見て、足を止めた。

彼は隣の席をポンポンと叩く。周防浅奈は恐る恐るその場所に座った。

「永一、一号地の入札に成功したよ。これで取締役会の連中も、私に文句ひとつ言えなくなるはず。すごいでしょ?」

彼女は宝物を献上するかのように契約書を差し出したが、近藤永一はそれを一瞥しただけだった。

「周防浅奈、いい度胸だ」

褒め言葉のように聞こえるが、周防浅奈の背筋には冷たいものが走った。

無意識に立ち上がろうとした瞬間、彼女は近藤永一によってソファに押し倒された。

「自分...

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