第171章

堀江山吾の口から語られた真実に、周防浅奈は息を呑んだ。

神谷勇は、実は彼の手足となって動く部下だったのだ。少なくとも十年来の付き合いであり、敵側の人間には見えなかったという。

しかしある日突然、愛娘の堀江萌が姿を消し、堀江山吾の元へ脅迫電話が鳴り止まなくなった。

当初は金銭、やがて要求は権力へとエスカレートした。

その混乱の中、神谷勇は犯人側との仲介役となり、なし崩し的にアーク・不動産の実権を握ることになったのだ。

「名目上は私が会長だが、実質的な権力は神谷勇にある。家内が亡くなってから私は会社に顔を出さなくなったから、周囲も不審には思わなかった。むしろ、私が神谷を信頼して任せてい...

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