第172章

周防(すおう)グループの会議室は、重苦しい空気に支配されていた。役員たちの視線は一様に鋭く、近藤有季(こんどう ゆき)に突き刺さっている。

「近藤部長、周防会長はまだ戻らないのか? 今日が期限の最終日だぞ」

「この株価を見てみろ。周防グループがかつての栄光を取り戻すのはいつになるんだ?」

「姿を見せないとはどういうつもりだ? 近藤様に頼んでネットの悪評を消しただけで、禊(みそぎ)が済んだと思っているのか?」

口々に不満が噴出し、誰もが苛立ちを隠そうともしない。

今は津田沢夫(つだ さわお)さえ不在で、周防浅奈(すおう あさな)を擁護する者は皆無だった。

特に株価の低迷は深刻で、全...

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