第18章

周防浅奈はカフスボタンをまじまじと見つめ、入り口の騒ぎなど耳に入っていないかのように振る舞っていた。

実際のところ、今日の周防浅奈の服装はラフなものだった。ハイブランドの服ではあるが、木島若凪のように全身を高価なアイテムで固めているわけではない。

だが、彼女が手にするブラックカードと、その身から溢れ出る「お嬢様」としての気品を前にして、店員たちは誰一人として彼女を蔑ろにはできなかった。

店員たちに追い出されそうになり、木島若凪がたまらず声を張り上げた。

「奈々! 入れてくれないのよ!」

周防浅奈は驚いたように振り返り、申し訳なさそうに店員へ微笑んだ。

「ごめんなさい、友達なんです。彼女も...

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