第208章

再度、近藤時弥から電話がかかってきたとき、周防浅奈は手元の株式譲渡契約書を優雅に眺めているところだった。

近藤時弥が金を貸してほしいと切り出すと、周防浅奈は思わず声を上げて笑った。

「近藤時弥、あなたまさか、さっき土地を買うのに使ったお金を返せって言うつもりじゃないでしょうね?」

「返せなんて言ってない、貸してくれと言ってるんだ」

近藤時弥の声には明らかに不機嫌な色が混じっていた。

「奈々、俺をそんな人間だと思ってるのか? 俺がいつ、お前に金を無心した? 俺がお前から借りたもので、返さなかったものなんて一つもないだろう?」

周防浅奈は盛大に白目をむいた。

「ええ、ええ、そうね。...

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