第217章

天宮日那は廊下の長椅子に腰を下ろし、信じられないという表情を浮かべていた。「まさか、そんなこと……。うちに恨みを持つ人なんていないはずよ。私の性格がきついのは認めるけど、だからってお父様の命を狙うなんてあり得ないわ」

「天宮家は宝飾業界で独り勝ち状態だもの。競合他社だってお父様の命までは狙わないわ。でも、莫大な資産がある以上、それを狙うハイエナはいる」

周防浅奈は天宮日那の手を握りしめた。

「お父様にはあなたしかいないの。よく考えて。お父様の食事や、飲み物に触れられるのは誰? 出所が怪しいお茶やコーヒーはない?」

天宮日那が首を横に振り続けるのを見て、周防浅奈は声を潜めて問いかけた。...

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