第222章

「もちろん問題ないよ。持ち帰って目を通してから、改めて条項について詰めよう」

 浅川逸が契約書を手に取ろうとしたその瞬間、周防浅奈がガシッとその手を書類ごと押さえつけた。

「何見るのよ? 私が信用できないの? それとも近藤永一が信用できないわけ? これ、彼の秘書が作ったものよ。サインしないなら他と組むわ。ああもうウザい、朝からこんなに時間無駄にさせて。このあとネイルの予約があるんだから!」

 周防浅奈の迫真の演技を見て、川崎慎之介は思わず拍手を送りたくなった。

 彼の記憶にある周防浅奈は、金持ちだとバレるのを恐れ、常にビクビクと人の顔色を窺うような女だったはずだ。

 それがどうだ、...

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