第232章

一時間後、周防浅奈はようやく鍼治療を終えた。

堀江山吾は拳をぐっと握りしめ、かつてない力が身体の奥底から漲るのを感じた。

「周防さん、これは……?」

「完治したわけではありません。特効薬を用いて、神経系を一時的に正常レベルまで引き上げただけです。健康な状態を保てるのはせいぜい三日。その後はこちらに戻って体系的な治療を受ければ、あるいは希望があるかもしれません」

周防浅奈は真剣な眼差しを向けたが、堀江山吾の顔に浮かぶ笑みを見て悟った。

彼はもう、戻ってくるつもりがないのだと。

その時、堀江山吾の携帯が通知音を鳴らした。彼は弾かれたように端末を手に取った。

「周防さん、奴らからだ」...

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