第240章

鼻をつく腐臭。周防浅奈は息を詰め、暗闇の中を滑り落ちていく。

幸い、ダストシュートは垂直ではなく緩やかな弧を描いていたため、かろうじて身体を支えることができた。

近藤五郎もまた、荒い息を殺しながら前方のゴミを蹴散らし、周防浅奈の滑落を妨げないよう必死に道を切り開いていた。

ドボォンッ!

二つの水柱が上がり、二人は海へと投げ出された。

真夏とはいえ、夜の海水は氷のように冷たく、一瞬にして周防浅奈の全身を包み込んだ。

蘇る死の恐怖。身体が強張り、指一本動かせない感覚に襲われる。

「いたぞ! あそこだ!」

「捕まえろ!」

「飛び込め! 生け捕りにするんだ!」

鼓膜が水圧で悲鳴を...

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