第251章

真に偉大な医家というものは、各世代において必ず一人の傑出した指導者を輩出するものだ。

だが、かつての天才・蘆澤紫雲は愛のために一族の反対を押し切り、最後には絶縁に近い形で家を飛び出した。

それ以来、彼女の世代で彼女を超える者は現れず、兄である蘆澤正雲でさえ足元にも及ばなかった。

家督を継いだ蘆澤正雲は、辛うじて蘆澤家という看板を支え続けてきたに過ぎない。

能力は凡庸だったが、それでも蘆澤家の体面を保ち、世間にその存在を示し続ける程度の手腕はあった。

外野から見れば、蘆澤家は依然として最高峰の医学世家である。しかし内情を知る者は皆、気づいていた。蘆澤家はもはや、かつての輝きを失った斜...

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