第267章

近藤永一が言葉を切るや否や、ドアがノックされた。「近藤様、周防さん」

それが近藤五郎の声だとわかると、周防浅奈はすぐにドアを開けた。

部屋に入ってきた近藤五郎は、変わらぬ険しい表情で報告した。「蘆澤の連中が、重要ではない荷物をこっそり物色しているようです。止めさせますか?」

近藤永一は無言のまま、周防浅奈に視線を送った。

「開けられるものなら開けてみればいいわ。どうせ壊すでしょうから、その時は定価で弁償させるだけよ」

周防浅奈は肩をすくめ、全く意に介さない様子だ。

彼女と近藤永一のスーツケースは、単なる暗証番号ロックではなく、指紋認証も必要な特注品だ。そう簡単に開けられるはずがな...

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