第272章

「準備だって? 周防浅奈、あんた頭おかしいんじゃないの?」

蘆澤春香は鼻で笑った。

「適当に刺しただけでツボに当たるわけないでしょ。まぐれで数本当たったとしても、九割以上の精度なんて絶対無理よ」

彼女は蔑むような目を周防浅奈に向け、それから周囲を見渡した。

「あたしたちは小さい頃から鍼灸を叩き込まれてるのよ。みんな、信じられる?」

「信じられないな。俺なんてツボの位置を覚えるだけで一年以上かかったのに、彼女が俺らより上手いわけがない」

「蘆澤春香、賭けに勝ったら飯奢れよな!」

「春香が勝つに決まってるだろ、まさか周防浅奈が勝つわけないし」

「ついに『百草書』が拝めるのか、最高...

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