第282章

石段はまるで永遠に続くかのように見えた。三十分登り続けても、周防浅奈は何度休憩したか数え切れないほどだったが、頂上は依然として遥か彼方だ。

「この山、こんなに高かったの?」

周防浅奈は地面にしゃがみ込み、酸欠で肺が焼けつくような感覚に襲われた。

不意に、近藤永一がその背を彼女に向けて屈んだ。

「乗れ」

周防浅奈は気まずそうに彼を見る。

「いいってば。少し休めば歩けるから」

「それとも、抱っこがいいか?」

近藤永一の声色には、拒絶を許さない響きがある。それでも周防浅奈は躊躇した。

「だって、病み上がりでしょう」

「じゃあ……」

口を挟もうとした近藤五郎の口を、遠藤正志が素...

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