第299章

今回、周防浅奈はついに近藤天輝の姿を捉えた。写真の中でしか知らなかったあの男が、生身の人間として目の前を歩き回っている。

だが、そこは海岸ではない。窓の外には異国情緒あふれる建築物が建ち並び、飛び交う物売りの声さえも英語だった。

近藤天輝がいるのは病室のようだ。そして病床には一人の老人が横たわっている――近藤黒蔵だ!

周防浅奈の意識が急激に引き戻された。彼女は渾身の力を振り絞って携帯電話を手に取り、近藤有季へダイヤルした。

近藤有季は、一人の男がこちらへ向かってくるのを視認した矢先に着信を受けた。何かあったのかと案じ、受話ボタンを押す。

「どうした?」

「近藤天輝は国内にいないわ...

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