第36章

本来なら周防浅奈は、近藤永一を病院に入院させて様子を見るつもりだったが、彼が頑として家に帰ると言い張ったため、結局二人はその日の夜、別荘へと戻ることになった。

ベッドに横たわると、周防浅奈は全身の力が抜けていくのを感じた。

手首のブレスレットを見つめると、胸の奥が少し痛んだ。

先ほど、安井徳助は彼女にこう言った。このダイヤモンドの一粒一粒は、彼女の両親が丹精込めて選び抜いたものであり、単に高価なだけでなく、そこには深い愛情が込められているのだと。

「ご両親の真心がなければ、私もこのブレスレットをデザインしようとは思いませんでしたし、彼らがもうこの世にいないと思わなければ、今日ここに来...

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