第46章

「有季さん、信じて。ふざけてるわけじゃないの」

周防浅奈はそう言うと、ツボを探して鍼を打とうと手を伸ばした。

すかさず近藤有季が彼女の手首を強く掴み、さっと手を振る。それを合図に、近藤永一のボディガードたちが一斉に二人を取り囲んだ。

「周防さん。普段のあなたの振る舞いを近藤様が許しているからといって、今は状況が違います。人命に関わるのですよ。何をする気ですか?」

近藤有季の声は氷のように冷たかった。彼女は顔を上げ、加賀冬馬に鋭い視線を投げる。

「救急車を呼んで。近藤家系列の病院から手配させて」

近藤永一の病状は、絶対に外部に漏らしてはならない。近藤有季は目を細めて加賀冬馬を見据え...

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