第152章

「もちろん。願ったり叶ったりだよ」

 彼は一切の躊躇なく、即座に快諾した。

 彼女が二人の関係を公にしたがる裏には、間違いなく別の理由がある。それは彼にも分かっていた。

 だが、そんなことは些細な問題だ。彼にとって、彼女の正式な「彼氏」になれることこそが、長年待ち焦がれていた悲願だったのだから。

 中村奈々はホッと安堵の息を吐き、淡く儚げな笑みを浮かべた。

 彼女はスマートフォンを取り出すと、高橋文也の腕にそっと手を回す。彼の肩に頭を預け、角度を調整して――「カシャッ」。

 二人のツーショットが切り取られた。

 画面の中の高橋文也は、口元に優しい笑みを湛え、その瞳には溢れんばか...

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