第204章

中村奈々は何をしているんだ?

わざとだ。

わざとあんな格好をして、俺の気を引こうとしているのか?!

黒田謙志は思わず眉をひそめた。妖艶な魅力を振りまく中村奈々に、嫌悪感すら覚える。

まるでケシの花のようだ。猛毒だと分かっていながら、近づかずにはいられない。

彼は奥歯が砕けそうなほど強く噛みしめた。今すぐ彼女を連れ帰り、家に監禁して、他の男の目に一切触れさせないようにしたい衝動に駆られる。

「謙志!」

森田美波が優雅な足取りで近づいてきた。

「まさかあなたが自ら足を運ぶなんてね。てっきり誰か代理を寄越すと思っていたわ」

彼は視線を戻すと、どこか気だるげな表情を浮かべつつも、淡...

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