第250章

中村奈々はずっと黙りこくったまま車を走らせる彼の様子を見て、諦めたように腕を組み、シートに身を預けた。

抗議する気配がないのを見て、彼は逆に眉を挑み上げた。

「俺が怖くないのか?」

「……あなたは、欠点だらけですけど、女性をいじめるような真似はしないでしょう」

「ふん、それはどうかな。毎日『いじめて』やりたい奴もいるんだよ。ベッドから起き上がれなくなるくらいにな」

「……」

買いかぶりすぎていた。三年も経てば少しはマシになるかと思ったが、昔と何一つ変わっていないとは!

中村奈々は顔をしかめ、無言のまま窓外に視線を移した。

どこへ連れて行かれようと構わない、と言わんばかりの態度...

ログインして続きを読む