第294章

光岡和哉は呆れたように肩をすくめた。

「俺の前で強がっても無駄だぞ。俺は当事者じゃなくて、ただの物好きな野次馬なんだからな。お前らのドロドロした昼ドラみたいな展開、もっと拗れろ、もっと揉めろって、特等席でポップコーンでも食いながら眺めてるのが一番楽しいんだよ」

中村奈々は、じろじろと彼を値踏みするように見つめ返した。

「何もかもお見通しのくせに、どっちつかずの態度で……。それなのに、私をR&Dセンターに招き入れたりして。それで、部長。本当は何を企んでるんですか?」

光岡和哉は金縁の眼鏡をゆっくりと外すと、余裕たっぷりに口を開いた。

「おや、普段は勘が鋭いのに、今日はどうした? 分か...

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