第5章

「キャーッ!」

 私は悲鳴を上げ、本能的に振り返り、相手の顎に肘を思い切り叩き込んだ。

「くそっ!」

 相手はくぐもった声を漏らし、数歩後ずさりする。

 私はハンドバッグを握り締め、再び攻撃を仕掛けようとした――

「ひかり、俺だ! 俺だって!」

 街灯の光の下、その顔がはっきりと見えた。

「颯斗?!」

 彼は顎を押さえ、苦痛に顔を歪めて私を見ていた。

「ハニー……手加減なしだな……」

「どうして後をつけてきたの?!」

 息を切らし、心臓はまだ激しく脈打っている。

「つけてたんじゃない」と、彼は顎をさすった。

「お前一人の夜道が心配だっただけだ。腕の怪我もまだ治ってな...

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