第6章

光の視点

「もう手遅れって?」颯斗の声が震えている。

「どういう意味だ?」

 私は答えず、箱の中から一枚の写真を探し出した。

 両親の若い頃のツーショットだ。1990年、あの鉄骨事故の前に撮られたものだった。写真の中の父は母の肩を抱き、二人は甘く微笑んでいる。降り注ぐ陽光を浴びて、とても幸せそうに見えた。

 だが、私にはその違和感が見えていた。

 父の首には、薄紫色の痕がぐるりと一周ついている。何かに首を絞められたような痕跡だ。

「父さんの首のこれ、見える?」私は写真を颯斗に手渡した。

 彼は顔を近づけ、眉をひそめた。

「え? 何も見えないけど」

「死の刻印よ」私の声は震...

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