第7章
三年後。
S市総合病院のVIP病室に、春の陽光が白いカーテン越しに降り注いでいる。
私はベッドの傍らに座り、颯斗の手を握りしめていた。
彼はそこに横たわり、まるでただ眠っているかのように穏やかな顔をしている。モニターが規則的に「ピッ、ピッ」と音を立てる――それは、この三年間で私が最も聞き慣れた音だった。
「今日はいい天気よ、颯斗」
私は温かいタオルで、彼の顔をそっと拭う。
「桜が咲いたわ。あなたの好きな桜。綿菓子みたいに綺麗なピンク色をして」
私は手を止め、彼の静かな横顔を見つめた。
「昨日、リリがまた聞いてきたの。パパはいつ起きるのって」
声が少し詰まったが...
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