第100章

山腹のヴィラにある金庫……

砂本美貴の体が目に見えて震えた。そこに参加企業のデモ版や、ひいては完成済みのプログラムがどれほど隠されているか、彼女自身が誰よりもよく知っているのだ。

栞は彼女の顔から血の気が引いていくのを見つめ、さらに笑みを深めた。

「昔のことは置いておくとして。今年三月、星奏が主催したAIコンテスト。優勝者が誰だったかという話もやめておきましょう」

「でも、最も期待されていたダークホースが、決勝戦でいきなりデータをクラッシュさせ、事前の構想をまったく実現できなかった」

「なのに下半期になると、彼らが構想していたAIモジュールが市場に出回った。砂本社長、これがどういう...

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