第101章

栞の眉間には明らかな疲労の色が滲んでいたが、それでも彼女は砂本美貴へ視線を向けた。

「砂本社長は、私が証拠を出せないと高を括っているのですか。それとも……」

少し言葉を区切り、美谷英介を冷ややかに一瞥してから、再び砂本美貴と視線を交える。

「彼がすべてを上手く処理できるとでも?」

「もし彼にそれほどの器量があるのなら、私は今、ここに立っていませんよ」

「そもそも、女の力で這い上がっただけの男に、どれほどの能力があるとお思いですか」

砂本美貴は美谷英介に情を抱いており、彼が「ヒモ」呼ばわりされるのを何より嫌うことも知っていた。だからこそ、即座に冷たい声で反論する。

「栞、私たちは...

ログインして続きを読む